日々の出来事を通じて舞台裏をお見せする編集部ブログ

不動産鑑定士さんって?

土曜日、編集部・小川が、不動産鑑定士さんの集りでFudosan.JPのプレゼンをしました。今まではFudosan.JPとは、接点がありそうでなかったので、まだ、ピンと来ない方も多かったようなのですが、ただ、小川のように元々不動産取引をやってらした方々、さらには、元銀行マンだった方々には、興味を持ってもらえたとのことで、編集部一同、とても喜んでおります(小川さん、どうもありがとうございます!!!)

でも、不動産鑑定士さんって、個人の方々にとっては、ちょっと馴染みがありませんよね?
編集部・ちてなは、
「どんな人がなるんだろう?」
ってところから、不思議がってました(笑)。

実は、先ほどの「都心に暮らす」で磯部の記事を転載しましたが、せっかくですので、もうひとつ、昨夏(2006年7月13日)の記事も転載しちゃいましょう!



●分かり易さの尺度

 不動産鑑定士に何故かなろうと決めたのは1972年の頃だった。大学をかろうじて卒業した1974年に二次試験に合格したが、その時の母親のリアクションはとても記憶に新しい。「おめでとう、よく頑張ったね。でも、何でまた恐ーい"不動産"の世界に入ることになったのかねえ。とにかく気をつけてね。」というものだった。
 当時は、不動産.....というだけでなにやら胡散臭い仕事をしているというようなレッテルが貼られかねない時代だったが、自分の仕事に対するその頃の私の浅はかな説明というのは、「不動産鑑定というのは、不動産を売ったり買ったりする仕事ではなくて、価格や価値を評価するという仕事なんだよ。不動産というのは、とても高価な財産だし、社会的にも重要な資産なので、その価格は専門家じゃないと適正に求めることができないのよ。」、といったモノだった。
しかし、その説明で納得してくれる友人は殆どいなかった。「不動産って大体相場とかあるから、地場の不動産屋さんに聞けば大体価格って分かるんじゃないの?不動産屋さんに聞く分にはお金だってかからないでしょ。」と言われたり、「でも、お金払って評価してくれるっていうことは、その価格で売れることを保証してくれるっていうことか!とか、その価格なら間違いなく買えるっていうことを保証してくれるっていうことか!」とか言われたりもしたモノだ。
 その度に私は答えに窮しながら、「いや....鑑定ってそういうモノじゃなくて、当事者が納得できるような、ある種の物差しを提供するという役割を担うんだよ。」とか言ってみるのだが、「でも、売買する時に、鑑定価格で取引しないといけないっていうことが法律で決まってる訳じゃないんでしょ?」と切りかえされるのだ。
 つまり、不動産鑑定評価というのは、一言で分かりやすく説明できないような仕事だったのだ。

 ところが、それから30年余を経た今日、不動産ビジネスの社会的なポジショニングがドラスティックに変貌したということにもよるのだろう。"不動産鑑定評価"という仕事や"不動産鑑定士"という資格の認知度はそれなりに高くなってきたような気がしている。勿論、30年前に10人中1人しか知らなかったのが、今では少なくとも10人中3人位の人には仕事として一定程度知られてきているというのが、(根拠はないが)、皮膚感覚での実感だ。
 しかも、大まかに内容を分かってくれているであろう10人の中の3人の方々は、「不動産鑑定っていうのは、証券化や企業再生や企業買収や減損会計とかの時に、様々な利害関係人に対して、不動産価格について客観的なお墨付きを与えるようなタイプの仕事ですよね。」っとクリアカットな理解を示してくれることさえある。
 一昔前には自分自身でさえ上手く説明できなかったのに、今では人が分かり易く解説してくれたりするのだから驚く。しかも、やっている仕事の内容は基本的に大きくは変わっていないのにだ。

 世の中がとても複雑になってきたということに尽きるのかもしれない。今では、一言では説明しきれないような仕事や分野が急速に増大していると同時に、分かりにくい仕事の方が時代的には最先端化してきているので、私の仕事が相対的には分かりやすい部類に属することになってきたということなのかもしれない。
 何はともあれ、より説明可能な仕事(今という時代に限っての話しではあるが)をしている自分にはある種の安心感が伴い、精神的にも安定していられるような気がしている。

 しかしながらこれから先、不動産鑑定という仕事が、相対的にもっともっと分かりやすい部類に属していくような時代がもし来るとしたら、私のような旧人類は、時代そのものとの関係が持てなくなっているのだろう。今でさえ、十分に時代が分かりにくいのだから....。

┗ 2007年7月30日 (月) 公開 日常風景もろもろ |


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